組織変革を小さく試すには|一部署の改善を全社へ広げる判断基準
組織変革を小さく試すときは、実施する部署を絞るだけでは不十分です。何を変えるか、何を観察するか、どの条件で止めるか、何が確かめられたら広げるかを先に決める。良い結果を出すためだけでなく、自社で機能する条件を学ぶための試行にすることで、一部署の改善を他の現場へ渡しやすくなります。
COLUMN
社員が自走しない、管理職が育たない、幹部が育たない――。経営者・人事責任者が抱える問いに、国内外1,000社以上の組織開発を支援してきた森田英一が、現場の実例と判断基準を交えて答えます。
組織変革を小さく試すときは、実施する部署を絞るだけでは不十分です。何を変えるか、何を観察するか、どの条件で止めるか、何が確かめられたら広げるかを先に決める。良い結果を出すためだけでなく、自社で機能する条件を学ぶための試行にすることで、一部署の改善を他の現場へ渡しやすくなります。
部門間の対立を解くには、相性や話し方だけでなく、互いが何で評価され、どの情報を持ち、何を決められるかを確認する必要があります。一つの案件を時系列で振り返り、仕事を受け渡す条件と相談先を揃える。全社として届けたい価値に戻り、両部門が無理なく協力できる接点をつくることが出発点です。
組織診断の結果を活かすには、社員へ資料を配る前に、経営陣が何を受け止め、何に応答するかを揃える必要があります。開示する情報の範囲を確認し、すぐ対応する課題、確認が必要な課題、今は対応できない課題を分ける。全回答を約束するのではなく、担当と次の説明時期を示すことが、対話を始めるための準備になります。
組織開発を外部に依頼するときは、何を納品してもらうかだけでなく、職場のどの行動を変えたいかを先に合意することが大切です。目的、行動変化、社内の責任者、確認する方法を揃え、支援の途中で見立てを修正できるようにする。外部へ任せる範囲と、経営側が引き受ける役割を分けることが、依頼を具体化する出発点です。
大阪の中小製造業でDXを進める際は、担当者の技術力だけでなく、製造・営業・管理部門が何を一緒に決めるかを整える必要があります。まず一つの業務の流れを選び、現場の困り事、部門をまたぐ判断、導入後の育成を同じ場で扱う。経営者は、その判断に必要な時間と権限を用意します。