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組織が疲弊する5つの構造|目的・権限・時間・評価・文化を再設計する組織論

解説:森田英一(beyond globalグループ President & CEO) 公開: 更新:
組織が疲弊する5つの構造|目的・権限・時間・評価・文化を再設計する組織論

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この動画の結論

組織が疲弊するのは能力ではなく構造の問題です。目的・権限・時間・評価・文化の5要素を連動させて設計し直すことで、組織は健全に飛躍できます。

動画の基本情報

動画タイトル 【2026年最新】「パーパスや人事評価制度」だけ掲げる組織が2026年に失敗する残酷な理由。2026年を変える“戦略的組織設計”ワーク研修をプロが全公開します【仕事術/戦略人事/コンサルタント】
解説者 森田英一(もりっしー)/beyond globalグループ President & CEO
国内外1,000社以上の組織開発・研修を支援。日本の人事部「HRアワード2013」プロフェッショナル部門 最優秀賞
テーマ マネジメント/人事戦略/組織開発
再生時間 54:04
再生回数 2,988回視聴※YouTubeより自動取得
動画の公開日 2026年1月2日
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=MTywPW6VWuk
チャンネル グローバル社長の「志」で自走する組織開発チャンネル

2026年になりました。日本企業の多くが、なんとなく元気がない、夢がない、若手に希望が見えない、みんな疲れているという状況に陥っています。マネージャーはプレッシャーで疲弊し、若手は一生懸命頑張っても給料が上がらず諦め感を抱く。人事評価制度を変えたり、ミッション・ビジョン・バリューを刷新したりしても、なぜか組織が変わらない。そんな手詰まりを感じていませんか。

この問題の原因は、社員一人ひとりの能力ではありません。目的・権限・時間・評価・文化といった要素がバラバラに扱われ、単発の施策で終わっている構造の問題です。組織は生き物であり、これらは連動しています。俯瞰して意図的にデザインし直すことで、組織は健全に飛躍できます。

なぜ日本企業の組織が疲弊するのか

日本企業が疲弊するのには構造があります。第一に成果至上主義の罠です。利益は企業の血液であり成果は大事ですが、短期的な成果に追われると長期的な打ち手を逃します。大きなジャンプにはしゃがむ動作が必要なのに、常に「今年何パーセントアップ」と迫られると大胆なチャレンジができません。

第二にプレイヤー依存構造です。マネージャーや経営者がプレイングに追われ、本来のマネジメントや戦略・長期・全体最適の思考がおろそかになります。上の人が疲弊し、下の人は指示待ちになって育ちません。第三に管理過剰構造です。日本企業はマイクロマネジメントで、報連相・会議・フォーマット提出などの管理が増え続け、本来の顧客価値を出す時間が削られます。かつては品質の高さが強みでしたが、今はオーバースペックと言われ、スピードやクリエイティビティを削ぐ弱みになっています。

第四に評価の硬直化です。年功序列の残像で差をつけず無難な評価に落ち着き、大きなチャレンジが評価されずミスした人が下がるため、みんな無難な行動に流れます。第五に心理的安全性の低下です。上位の構造が重なりトップダウンが強いほど本音を言えず、ミスも質問もしにくくなり、優秀な人ほど辞めていきます。これらは単発の問題ではなく、すべてつながっています。

2026年を変える戦略的組織設計の5要素

組織を変えたい時に再構築すべき要素は5つあります。目的・権限・時間・評価・文化で、これらはバラバラではなく1本の糸でつながっています。経営者・人事・管理職のいずれもが押さえておくべきポイントです。まずは一覧で確認してください。

要素 設計対象 狙い
1 目的 目的とビジョン 北極星を示し日々の優先順位を変える
2 権限 権限設計 権限移譲でマネージャーを本来業務に戻す
3 時間 時間の使い方 先手を打つ思考の時間を確保する
4 評価 評価設計 目的・戦略・KPIを評価と連動させる
5 文化 文化設計 言葉と行動で意図的にカルチャーを作る

1 目的の設計

組織を変える時、真ん中で最初に変えるべきは目的です。何のためにやっているのかが曖昧なまま目の前のことをやると、人は意味の動物なのでやらされ感を抱き、辞めるか作業者になってしまいます。目的とビジョンは、短期成果に追われる中で北極星になるものです。

ビジョンは「目に見える」という意味であり、未来がこうなったらいいなと映像としてイメージできることが大切です。目的とビジョンから落ちた目標には意味がありますが、それがない目標はやらされ感になります。年度ごとにアップデートし、社員や経営者同士で話し合って再設計します。いい目的とビジョンが定まると、日々の優先順位が変わります。優先順位が変わることが、いいビジョンを立てられたかのバロメーターです。

2 権限の設計

プレイヤー依存を脱するには権限移譲が必要です。マネージャーはプレイヤーの仕事を最小限にし、できるだけ部下に権限を移して一段上の仕事、つまり未来・中長期・全体最適を俯瞰して考える仕事をします。どこまで任せ、どこから自分がやるかを設計し直します。

完璧主義で責任感の強いマネージャーは、まず60点主義や30点主義で任せ、上がってきたものをブラッシュアップする基準に変えます。値引き額やいくら以上の案件をどう承認するかなど、意思決定の項目を洗い出し、任せてよいもの・条件付きのもの・誰に任せるものかを権限表(マトリクス)にします。これがないと、メンバーはどこまで自分で決めてよいか分かりません。

3 時間の設計

時間は誰もが枯渇しているリソースです。AIでの効率化やアウトソース、無駄な書類や会議の削減が有効です。会議を1時間から45分や30分に短くする、頭が冴える朝に集中時間を取る、午後一はコミュニケーションに使うなど、脳の使い方に合わせて時間を設計します。

最も大事なのは先手を打つことです。後手に回ってトラブル対応するのは最も無駄な時間で、先にやれば短時間で終わり信頼も失いません。先手を打つ思考の時間を、週に2日ほど午前中をブロックするなどして確保します。オフィスだとコミュニケーションが発生するため、別の場所で集中してから行くといった設計も有効です。フォーカスタイムを会社全体で設ける方法もあります。

4 評価の設計

評価項目が曖昧で定性的なものばかりなら、定量的なものを入れます。目的から落ちた目標、その目標から落ちたKPIを評価に組み込み、連動させます。ここで肝となるのが、目標と戦略です。目標達成のためにどんな戦略でいくのか、その戦略がうまくいっているかを測る指標がKPIです。目的・戦略・KPIを1本の糸でつなぐことが、日本企業の弱い部分です。

MBO(目標管理)は自分で目標を立てることが重視されますが、それが行きすぎて目標や戦略と連動しないケースがあります。戦略を意識したKPIを目標に入れ込むことが重要です。運用面では甘辛分析を行い、甘すぎる人・辛すぎる人を抽出して指導します。評価が甘い・曖昧だと優秀な人のやる気を削ぎ、やる気のない人にはラッキーになる構造です。ミスしない人ではなく挑戦した人を評価するプラス評価を意識し、年齢や経験での調整はやめます。メリハリをつけた評価には、根拠となる行動事実をメモしておき、タイムリーにフィードバックします。

5 文化の設計

カルチャーは設計できます。楽天の「スピード・スピード・スピード」、メルカリの「Go Bold(迷ったら大胆な方を選ぶ)」のように、価値観を明文化し、評価にも組み込み、日常の会話でその言葉が出てくるようにします。カルチャーは人の言葉と行動によって作られます。

どんなキーワードが社員同士の会話で出てほしいか、どんな行動をしてほしいかという理想の思考様式・行動様式を考えます。逆に、これはダメだというNGラインを明示することも大切です。お客さんからのメールを何時間以内に返すかなど、会社としてのNGラインを示すと、社員は求められることが分かってきます。基準に合う行動は承認し、違う行動は指摘し、キーワードを社内の共通言語にすることで文化は醸成されます。文化は意図的に作れます。

解決策・打ち手

目的とビジョンを言語化して社員に伝える

今の事業は何のためにやるのか、ビジョンは何を目指すのかをノートに書いて言語化します。頭で分かっているからではなく、書いて部下に伝え、部下がワクワクするかポカンとするかで、そのビジョンが機能するかが決まります。

権限表を作って任せる基準を変える

意思決定の項目を洗い出し、任せてよいもの・条件付きのもの・誰に任せるものかをマトリクスにします。60点主義で部下に任せ、上がってきたものをブラッシュアップする基準に変えることで、マネージャーが一段上の仕事に集中できます。

先手を打つ思考の時間をブロックする

後手のトラブル対応は最も無駄な時間です。週に2日ほど午前中を思考の時間としてブロックし、別の場所で集中するなど設計します。先に手を打てば必要な時間が減り、信頼も守れます。

目的・戦略・KPIを評価と連動させる

目的から目標、目標から戦略、戦略からKPIへと落とし込み、定量的なKPIを評価に組み込みます。MBOの目標を自分で立てることと、戦略と連動させることの両立を意識し、1本の糸でつなぎます。

甘辛分析でメリハリのある評価にする

評価のばらつきを甘辛分析で可視化し、甘すぎる人・辛すぎる人を指導します。ミスしない人ではなく挑戦した人をプラス評価し、行動事実をメモしてタイムリーにフィードバックすることで、挑戦する文化を育てます。

理想のカルチャーとNGラインを明文化する

どんなキーワードや行動を望むかという理想の思考・行動様式と、これはダメだというNGラインを明文化します。基準に合う行動を承認し、違う行動を指摘し、キーワードを共通言語にすることで文化を意図的に作ります。

明日から着手する順番

  1. 今の事業は何のためにやるのか、ビジョンは何かを書いて言語化する。真ん中で最初に着手すべき出発点です。
  2. 言語化した目的とビジョンを部下に伝え、ワクワクするかどうかで機能を確認する。
  3. 意思決定の項目を洗い出し、任せる範囲を権限表(マトリクス)にする。
  4. 週に2日ほど、先手を打つ思考の時間を午前中にブロックする。
  5. 目的・戦略・KPIを1本の糸でつなぎ、定量的なKPIを評価に組み込む。
  6. 過去の評価シートを甘辛分析し、甘すぎ・辛すぎを見直して行動事実をメモする。
  7. 理想のカルチャーを5つほど書き出し、NGラインとともに明文化して共通言語にする。

よくある質問

日本企業の組織が疲弊する構造は何ですか?

5つの構造が原因です。成果至上主義の罠、プレイヤー依存構造、管理過剰構造、評価の硬直化、心理的安全性の低下がつながって疲弊を生んでいます。

戦略的組織設計の要素はいくつありますか?

5つあります。目的・権限・時間・評価・文化で、これらはバラバラではなく1本の糸でつながっており、連動させて設計する必要があります。

成果至上主義の罠とは何ですか?

短期成果に追われ長期を逃すことです。大きなジャンプにはしゃがむ動作が必要なのに、常にアップを迫られると大胆なチャレンジができなくなります。

組織を変える時まず何から変えますか?

目的です。真ん中で最初に変えるべきは何のためにやるのかという目的とビジョンで、これが北極星になり日々の優先順位を変えます。

いいビジョンかどうかはどう見分けますか?

日々の優先順位が変わるかで見分けます。目的を設定して優先順位が変われば、いいビジョンを立てられた証拠であり、1つの目安になります。

プレイヤー依存構造を脱するには何が必要ですか?

権限移譲が必要です。マネージャーはプレイヤーの仕事を最小限にし、60点主義で部下に任せて一段上の全体最適や中長期の仕事に集中します。

権限表とは何ですか?

任せる範囲を整理したマトリクスです。値引き額やいくら以上の案件をどう承認するかなど意思決定の項目を洗い出し、任せる範囲を役職別に表にします。

管理過剰構造の何が問題ですか?

顧客価値を出す時間が削られることです。報連相や会議、フォーマット提出などの管理が増え、本来業務がやっつけ仕事になり品質やスピードが落ちます。

時間設計で最も大事なことは何ですか?

先手を打つことです。後手のトラブル対応は最も無駄な時間で、先にやれば短時間で終わり信頼も守れるため、思考の時間を確保します。

思考の時間はどれくらい確保しますか?

週に2日ほど午前中をブロックします。オフィスだとコミュニケーションが発生するため、別の場所で集中してから行くといった設計が有効です。

評価の硬直化はなぜ起きますか?

年功序列の残像で差をつけないからです。無難な評価に落ち着き、挑戦が評価されずミスが下がるため、みんな無難な行動に流れて硬直化します。

目的・戦略・KPIはどうつなげますか?

目的から目標、目標から戦略、戦略からKPIへ落とします。戦略を意識した定量的なKPIを評価に組み込み、1本の糸でつなぐことが重要です。

MBOで注意すべきことは何ですか?

戦略と連動させることです。自分で目標を立てることが行きすぎて目標や戦略を無視しないよう、戦略を意識したKPIを目標に入れ込みます。

甘辛分析とは何ですか?

評価のばらつきを可視化する分析です。マネージャーや部署ごとの甘い辛いをデータで並べ、甘すぎる人・辛すぎる人を抽出して指導します。

評価が甘いと何が問題ですか?

優秀な人のやる気を削ぎます。やる気のない人にはラッキーになる構造で、無難な評価は今の時代、優秀な人が辞める引き金になりかねません。

ミスと挑戦のどちらを評価すべきですか?

挑戦を評価すべきです。挑戦にはミスがつきものですが、無難でミスしない人を評価すると挑戦が馬鹿らしくなり、保守的な組織になります。

カルチャーは設計できますか?

設計できます。価値観を明文化し評価に組み込み、日常会話で言葉が出るようにします。文化は人の言葉と行動で作られ、意図的に醸成できます。

NGラインを明示する意味は何ですか?

社員に求められることが伝わることです。メール返信の時間など会社のNGラインを示すと、部署ごとの差による混乱が減り基準が共有されます。

評価にはなぜ行動事実のメモが必要ですか?

プロセス評価の根拠になるからです。感覚で点をつけず、どんな行動をしたから何点かを随時観察してメモし、タイムリーにフィードバックします。

5つの要素はなぜ連動させるのですか?

組織が生き物だからです。単発の施策では変わらず、目的・権限・時間・評価・文化を連動させて生態系を作ることで組織が変わっていきます。

まとめ

  • 日本企業の組織が疲弊するのは個人の能力ではなく、成果至上主義・プレイヤー依存・管理過剰・評価硬直・心理的安全性低下がつながる構造の問題です。
  • 組織を変えるには、目的・権限・時間・評価・文化の5要素を再構築します。
  • まず目的とビジョンを言語化し、権限表で任せる基準を変え、先手を打つ思考の時間を確保します。
  • 目的・戦略・KPIを1本の糸でつなぎ、甘辛分析でメリハリのある評価にして挑戦を評価します。
  • カルチャーは言葉と行動で意図的に設計でき、5要素を連動させて生態系として組織をデザインします。

まずは動画を止めて、今の事業は何のためにやるのか、ビジョンは何かを紙に書いて言語化するところから始めてください。

動画特典

この動画では、権限移譲の設計に使える「権限設計のひな型」を特典としてご用意しています。意思決定の項目を洗い出し、どの役職・クラスに何を任せるかを表にする際にご活用ください。

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