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なぜ優秀な人を集めても組織が機能しないのか|組織開発の盲点と打ち手を解説

解説:森田英一(beyond globalグループ President & CEO) 公開: 更新:
なぜ優秀な人を集めても組織が機能しないのか|組織開発の盲点と打ち手を解説

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この動画の結論

組織が機能しないのは人の能力ではなく関係性の質が盲点だからです。関係性を変えると生産性は爆上がりし、本丸は組織ビジョン・関係性・制度連動の3つです。

動画の基本情報

動画タイトル 【完全版】大企業・ベンチャー1000社以上に実施したパワフルな組織文化づくり!自走を妨げる組織文化・会社の硬直化を乗り超える組織開発のメカニズム・変革プロセス全てを完全公開します
解説者 森田英一(もりっしー)/beyond globalグループ President & CEO
国内外1,000社以上の組織開発・研修を支援。日本の人事部「HRアワード2013」プロフェッショナル部門 最優秀賞
テーマ マネジメント/リーダーシップ/組織開発
再生時間 47:13
再生回数 4,516回視聴※YouTubeより自動取得
動画の公開日 2025年10月11日
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=ZFPqGG7difU
チャンネル グローバル社長の「志」で自走する組織開発チャンネル

「人を増やしたのに、なぜか組織がうまく回らない」「優秀な人材を集めたはずなのに、チームとして成果が出ない」。研修も人事制度も整えているのに、社員が受け身になったり、若手が辞めていったり、会議で意見が出てこなかったりする。そんな悩みを抱える経営者や人事担当の方は少なくありません。

この問題の原因は、個人の能力や意欲ではなく、組織の「関係性の質」という盲点にあります。仕組みを整え、人を育てても、人と人との関係性が良くなければ組織は機能しません。この関係性の質を変えることを意識していただくと、組織の生産性と効率性は大きく上がります。本記事では、25年間・国内外1,000社以上の組織開発に関わってきた森田英一の解説をもとに、組織開発の本質と実践方法をまとめます。

現象のメカニズム:なぜ仕組みと研修だけでは組織が変わらないのか

日本の組織づくりは、人事制度・評価制度・研修という3点セットに偏ってきました。テクニカルスキルやリーダーシップ、マネジメント、コミュニケーションといったスキルを身につけさせる仕組みをつくる。これ自体は良いことですが、大きな盲点があります。

その盲点とは、仕組みがあって人が育っても、関係性が良くなければ組織はうまくいかないということです。優秀な人をいくら集めてドリームチームをつくっても、その人たち同士が仲が悪かったり、コミュニケーションがうまくいっていなかったりすれば、良いチームにはなりません。「良い人が来ればうまくいく」という考え方は間違っています。

組織がどうやったら機能するのか。そのための仕組み、関係性、コミュニケーションのあり方をトータルで考え、より良くしていく。これが組織開発(Organization Development/OD)という考え方です。アメリカでは一般的で、人材開発の研修担当とは別にOD担当がいるほどですが、日本では役割として認識されていないケースが多く、研修に偏ってきました。

組織の中でどんな言葉が交わされているかも重要です。「うちの会社はいまいちだよね」「前例がないからやめなさい」という言葉が日常的に交わされる会社と、「面白いね、もっとやってみよう」「どうやったらできるかな」という言葉が交わされる会社では、同じスキルの人がいてもパフォーマンスは全く変わります。組織は言葉によって「うちの組織はこうだ」という認知を強化していきます。この認知を変えることで文化が変わるという考え方が、社会構成主義に基づく対話型組織開発です。

組織開発の2つの流派

組織開発には歴史があり、日本でも流行した時期があります。アプローチは大きく2つに分かれます。

診断型組織開発

一昔前に流行したアプローチです。従業員の意識調査などを行い、どこに問題があるかを客観的に診断します。人事制度の問題点、経営者の戦略が社員に伝わっていない、ビジョンへの共感度が低いといった課題を明らかにし、外部コンサルタントが改善策を提示します。戦略・ビジョン・給与や福利厚生の仕組みといった機能的な側面に焦点を当てるのが特徴です。ただし、それだけでは会社がなかなか変わりにくく、一度下火になった時期がありました。

対話型組織開発

2010年ごろから日本でも広がってきたアプローチです。人と人との関係性をどう機能させるかにフォーカスします。仕組みを整えても、関係性が良くなかったり、社内で交わされる言葉が後ろ向きだったりすれば組織は変わりません。健全なカルチャーをどうつくるか、どんな組織にしていくかに注目し、この20年ほどで日本にも浸透してきました。人の認知が組織のカルチャーをつくるという社会構成主義に基づいています。アクセンチャー時代に診断型を主に手がけ、その後アメリカなどで対話型を学び、両者を融合した形で20年以上、組織の文化変革に取り組んできました。

組織開発の背景にある前提:働きやすさと働きがいの違い

組織開発が目指すのは、人と人との関係性の質を変えながら、成果と、人の充実度・満足度・幸福度を両立させる組織です。ここで重要なのが「働きやすさ」と「働きがい」の違いです。

働きやすさとは、出社とリモートワークのバランスなど、環境面での快適さを指します。一方、働きがいとは、この仕事をやっていて嬉しい、達成感がある、といった仕事そのものから得られる幸福度を指します。この2つは全く違うものであり、両方が満たされる状態が健全な組織です。

同時に、組織は効率性も重視しなければなりません。無駄なことばかりやっている組織は強くありません。組織の目標を達成し、メンバーの潜在能力を引き出し、環境変化に対応できること。こうした要素を満たす組織をつくるために、組織ビジョンを描いていきます。

組織開発の3つの柱

組織開発は「総合格闘技」であり、単一科目ではありません。ワンオンワンやダイアログ・ワークショップを1つ入れれば解決するものではなく、人事制度・スキル・関係性など幅広い知識が必要です。その中でも本丸となる3つの柱を整理します。

内容 ポイント
1. 組織ビジョンを描く どんなカルチャーの組織を目指すかを定義する 事業ビジョンと社員の幸せの2軸から、主要メンバーを巻き込んで参加型でつくる
2. 関係性の質を変える 本音が言える心理的安全性の高い関係をつくる サーベイや対話ワークショップで内省を促し、外部の力を活用する
3. 制度・育成・組織開発の連動 バラバラな施策を一貫性を持って統合する 事業戦略・KPIと組織ビジョン、人事制度をトータルデザインする

1. 組織ビジョンを描く

多くの日本企業には売上や利益といった事業ビジョンはありますが、「どんなカルチャーの組織をつくりたいか」という組織ビジョンが明確になっていません。たとえば「現状維持より挑戦を最も価値とする」「落ち込んでいる人がいたらチームでサポートする」「疑問があれば質問する責任を持つ」といった、目指すカルチャーのデザインができていない会社が多いのです。

組織ビジョンを描くときは、トップダウンだけで決めず、経営陣や管理職などの主要メンバーを巻き込んで参加型でつくることが重要です。また、単独で考えるのではなく、事業ビジョンと連動させること、そして社員の幸せというファクターを組み込むことが欠かせません。事業ビジョンと社員の幸せ、この2つから組織ビジョンをきちんと描いていきます。

2. 関係性の質を変える

上司に本音が言えない、忖度する、部署同士で「あの部署は分かっていない」と距離を取る。こうした状態が日本では増えています。関係性の質を変えるために、ダイアログ・ワークショップやエンゲージメントサーベイ、360度サーベイなどを用います。

管理職には360度サーベイで自分のリーダーシップがどう見られているかを直面してもらい、エンゲージメントサーベイで部署ごとのスコアを可視化します。若手や中堅にも結果を共有し、「上司の問題だけでなく、あなたが言っていないことも問題だ」と双方に内省を促します。そのうえで、部下が勇気を持って言ったことを上司が聞いてくれたという体験をつくり、徐々に本音が話せるようにしていきます。

この関係性を変える取り組みは、社内だけで行うのは難しいものです。新しい中途入社者や外国人など「社外の血」が入ると変わることもありますが、確実に変えるには外部の組織開発のプロが入るのが有効です。大きな岩も最初に動かすのは大変ですが、動き出せば自走していきます。関係性の質を変えることを意識すると、組織の生産性と効率性は大きく上がり、売上も上がります。これは心理的安全性を高めることでもあります。

3. 制度・育成・組織開発を連動させる

人事制度改革担当、研修担当、組織開発プロジェクトがバラバラに動いているケースが多く見られます。これを事業の目標・戦略・KPIという縦の一貫性と、それを実現する組織ビジョン、人事制度、必要なスキルやマインドセットまでトータルでデザインする必要があります。

このトータルデザインができる人材が、日本には圧倒的に少ないのが現状です。アメリカではCHROなど人事役員は人事の修士を持つ専門家であることが多い一方、日本では人事のトップがローテーションで就任し、組織開発のノウハウを知らないケースが多く、「やりたいけれどやり方が分からない」という状態に陥りがちです。制度・育成・組織開発のノウハウを使って文化形成をするという発想を持つことが重要です。

解決策・打ち手

組織の現状を正しく可視化する

まず組織総合診断を行い、社員のエンゲージメントのレベルや関係性、人事の仕組みが機能しているかを見える化します。サーベイの特徴は、現状の組織カルチャーと、社員が考える理想のカルチャーの両方が出てくる点です。この結果をもとに経営陣へ報告し、ワークショップで「うちの組織をどうしていくか」を議論します。

上から順に変える

変革は上から始めます。取締役・執行役員・事業部長クラスまで360度サーベイを取り、部下や同僚からの評価を返します。ただし「犯人探し」をすると本音が言えなくなり組織が崩壊するため、事前に研修を行い、自分のマネジメントが部下のやる気をそいでいるかもしれない、部下は演じているかもしれない、と自覚してもらってから結果を返します。360度サーベイは1回目は忖度で甘めになりやすく、2回目に本当の数字が出ます。自由記述で「特になし」と書かれるのは、心理的安全性が低い証拠です。

一斉に変わる

組織は一人だけが気づいて変わるのは難しく、一斉に変わる必要があります。自分だけ変わっても周りが変わらなければ手応えが取れず、変わるのが馬鹿らしくなるからです。上から変わり始めると、一般社員が「上の人が変わってきた」と気づきます。そのタイミングで下の人向けの研修や対話ワークショップを行います。

次世代リーダーを巻き込む

受け身と言われる若手の中から次世代リーダーを募集・推薦し、各部署のチェンジリーダーに任命します。その人がボトムアップで組織カルチャーを変える変革のキーパーソンになります。同時に、下からの提言プロジェクトを立ち上げ、評価制度や会議体、新しい商品への提案を吸い上げます。「言ったもの負け・やったもの負け」になる構造を明らかにし、変えていきます。

自分ごと化を促す

人間関係の問題は100%どちらか一方が悪いことはまずありません。上司と部下なら7〜8割は上司の責任というケースはあっても、100%ではなく、お互いに問題の片方を担っています。「あいつが悪い」ではなく、自分の関わり方が部下のやる気をそいでいたかもしれないと自分ごと化することが大切です。この気づきが生まれると、関係性が変わり、岩がゴロゴロと動いていきます。

明日から着手する順番

  1. 自社に「組織ビジョン(どんなカルチャーを目指すか)」が明確にあるかを確認する。事業ビジョンしかない場合は、その不在を課題として認識する。
  2. 社内で日常的に交わされている言葉が前向きか後ろ向きかを観察する。「どうせ変わらない」という言葉が多いなら、関係性に問題がある可能性が高い。
  3. エンゲージメントサーベイや360度サーベイなどで、組織の現状と社員が考える理想のカルチャーを可視化する。
  4. まず経営陣・管理職から、自分のマネジメントが本当に効果的かを内省する場(研修・ワークショップ)をつくる。
  5. 上層部が変わり始めたら、若手・中堅向けの対話ワークショップを行い、双方の内省と本音の対話を促す。
  6. 各部署から次世代リーダー(チェンジリーダー)を任命し、ボトムアップの変革を継続的に進める。
  7. 制度・育成・組織開発が連動するよう、事業戦略・KPI・人事制度・ミッション・ビジョン・バリューの一貫性を整える。
  8. 社内だけで動かしにくい場合は、初動だけでも外部の組織開発のプロを活用する。

よくある質問

組織開発とは何ですか?

組織が機能するための仕組み・関係性・コミュニケーションのあり方をトータルで考え、より良くしていく取り組みです。英語ではOrganization Development(OD)と呼ばれ、アメリカで発祥した考え方です。

組織開発と研修は何が違いますか?

研修は個人のスキルを高める人材開発です。組織開発は人と人との関係性やカルチャーそのものを変える取り組みで、アメリカでは研修担当とは別にOD担当がいるほど区別されています。

人を増やせば組織は強くなりますか?

なりません。人数を増やせば何とかなるものではなく、関係性が良くなければ優秀な人を集めても良いチームにはなりません。組織はフェーズによってやるべきことが異なります。

優秀な人を集めれば良い組織になりますか?

なりません。優秀な人でドリームチームをつくっても、互いに仲が悪くコミュニケーションが取れていなければ機能しません。「良い人が来ればうまくいく」は間違いです。

診断型組織開発とは何ですか?

従業員の意識調査などで問題を客観的に診断し、改善策を示すアプローチです。一昔前に流行し、戦略やビジョン、給与など機能的な側面に焦点を当てます。外部コンサルタントが担うことが多い手法です。

対話型組織開発とは何ですか?

人と人との関係性をどう機能させるかにフォーカスするアプローチです。2010年ごろから日本で広がり、社会構成主義に基づき、人の認知を変えることでカルチャーを変えると考えます。

なぜ今、組織開発が必要なのですか?

日本には優秀な人材が多いのに、遠慮や忖度で力を生かしきれていないからです。会社は強くても社員が弱いという構造を変え、人が輝くための関係性を整える必要があります。

会社が変わらないのは上司のせいですか?

上司の責任は大きいですが100%ではありません。下が意見を言わないから上も気づかないという面もあり、組織は生き物として双方が問題の片方を担っています。

働きやすさと働きがいは同じですか?

違います。働きやすさは出社とリモートのバランスなど環境面の快適さ、働きがいは達成感など仕事そのものの幸福度です。健全な組織は両方が満たされます。

トップ企業は組織開発をしていますか?

しています。Google、Amazon、セールスフォースなどは理想のカルチャーを定義し、どんな言葉が交わされ、人がどう働くかまでデザインしています。これが競争力の源泉になっています。

Googleの20%ルールとは何ですか?

求められる仕事8割に対し、2割は自分の好きな仕事をしていいという制度です。内発的動機がイノベーションを生むという考えに基づき、世界的サービスもここから生まれています。

組織開発が「総合格闘技」と呼ばれるのはなぜですか?

単一科目ではないからです。人事制度、コミュニケーションスキル、関係性づくりなど幅広い領域を統合する必要があり、1つの手法を入れれば解決するものではありません。

組織開発で最も重要なことは何ですか?

本丸は3つです。組織ビジョンを描くこと、関係性の質を変えること、制度・育成・組織開発を連動させることです。この3つの柱を軸に取り組みます。

組織ビジョンはどうやって作りますか?

トップダウンだけでなく、経営陣や管理職など主要メンバーを巻き込み参加型で作ります。事業ビジョンと社員の幸せという2つの軸から描くことが重要です。

関係性の質を変えるとどうなりますか?

組織の生産性と効率性が大きく上がり、売上も上がります。遠慮せず本音が言える心理的安全性が高まり、抑えられていた個人の力が発揮されるようになります。

360度サーベイで注意すべき点は何ですか?

犯人探しをすると本音が言えなくなり組織が崩壊します。1回目は忖度で甘めになり、本当の数字は2回目に出ます。事前に心を整える研修が必要です。

サーベイで「特になし」と書かれるのはなぜですか?

心理的安全性が低い証拠です。上司に思うことがあっても、言えば逆襲される、言っても無駄、嫌われたくないといった理由で書けない状態を示しています。

組織を変えるのに外部の力は必要ですか?

有効です。内部だけでは変わりにくく、外部の組織開発のプロを入れるか、パワフルな人材を一定数採用するのが有効です。最初の初動だけ外部を使う方法もあります。

組織のカルチャーが変わるまでどれくらいかかりますか?

事例では3年かけてカルチャーが活性化しました。上層部が変わり始めると3か月ほどで一般社員が変化に気づき、下からの提言も動き始めます。

成功の鍵は何ですか?

トップの覚悟です。特に経営者が360度サーベイを怖がって逃げると社員に見透かされます。トップが自ら変わる姿勢を見せることが、変革が自走する起点になります。

まとめ

  • 組織開発とは、仕組み・関係性・コミュニケーションをトータルで考え、成果と社員の幸福度を両立させる取り組みです。研修や制度だけでは組織は変わりません。
  • 盲点は「関係性の質」です。優秀な人を集めても関係性が悪ければ機能せず、社内で交わされる言葉が認知とカルチャーをつくります。
  • 本丸は3つの柱、組織ビジョンを描く・関係性の質を変える・制度と育成と組織開発を連動させる、です。
  • 変革は上から一斉に。360度サーベイやエンゲージメントサーベイで現状を可視化し、内省を促し、次世代リーダーを巻き込みます。
  • 人間関係の問題は100%どちらか一方の責任ではなく、自分ごと化が変化の起点になります。初動には外部の力の活用が有効です。

まずは自社に「どんなカルチャーを目指すか」という組織ビジョンがあるかを確認するところから、勇気を持って一歩踏み出してみてください。

動画特典

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特典の内容は、「自走する組織の原理原則10か条」「グローバルで通用するリーダーとは(完全解説セミナー)」「経営者・管理職の成長停滞を突破する7つの問い」「現場が変わる組織開発カルテ・テンプレート」「理念が浸透するビジョン・ミッション策定ガイド」「日本型人事制度の限界とこれから(プロ向けセッション)」「経営者・人事向け無料オンライン相談30分」「組織変革メソッド7日間無料講座」「HRアワード最優秀賞を受賞した某大手情報サービス業の次世代経営者向けプログラム実力動画」「社員の働きがい・エンゲージメント徹底解説」「エンゲージメントを高めるためのロードマップの作り方セミナー限定動画」「企業取り組み事例インタビュー」などです。

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