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頑張れと言うほど部下が離れる理由とは|応援を呪いに変えないマネジメント5選

解説:森田英一(beyond globalグループ President & CEO) 公開: 更新:
頑張れと言うほど部下が離れる理由とは|応援を呪いに変えないマネジメント5選

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この動画の結論

「頑張れ」と言うほど部下のやる気は消えます。原因は精神論で戦略から目をそらすことで、失敗の8割は戦略や構造の問題です。気合いと武器はセットで渡すべきです。

動画の基本情報

動画タイトル 部下のやる気を"静かに奪う"上司の5つの共通点|知るだけで会社が変わる動機づけの設計を解説【組織開発/マネジメント/リーダーシップ/管理職】
解説者 森田英一(もりっしー)/beyond globalグループ President & CEO
国内外1,000社以上の組織開発・研修を支援。日本の人事部「HRアワード2013」プロフェッショナル部門 最優秀賞
テーマ マネジメント/リーダーシップ/組織開発
再生時間 28:45
再生回数 5,722回視聴※YouTubeより自動取得
動画の公開日 2026年7月25日
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=tcxcIqNQay4
チャンネル グローバル社長の「志」で自走する組織開発チャンネル

仕事を任せているメンバーが、思うように頑張ってくれない。「もう少しできるんじゃない」「もうちょっと頑張ろうや」と、優しく声をかけているつもりなのに、なぜかやる気が上がらない。そんなもどかしさを感じているリーダーは少なくありません。

結論から言えば、「頑張れ」と言うほど部下のやる気は消えていきます。原因は部下のやる気のなさではなく、リーダーが精神論に頼り、戦略や仕組みという構造の問題から目をそらしていることにあります。頑張れという言葉は、応援ではなく呪いになりかねません。この記事では、「頑張れ」と言うほど部下のやる気が消える動機づけの病5選と、その解決策を解説します。

現象のメカニズム

頑張れが逆効果になる根本には、精神論が戦略の欠如を隠してしまう構造があります。頑張れと言い続けているということは、多くの場合、戦略が練りきれていないということです。具体的な勝ち筋やステップが整理されていれば、頑張れではなく「ここが抜けているから、ここを頑張ろう」と具体に落とし込めます。

さらに、時代が変わったことも大きな要因です。昔は社員が辞めない時代で、我慢すれば将来のリターンが得られると思えたため、頑張れが機能しました。しかし今は、頑張れと言われると辞める人もいて、転職もでき、スカウトメールも来ます。

日本企業は個人の頑張りでなんとかできてきたため、頑張れが機能してきました。しかし海外では頑張れはワークせず、人もすぐ辞めるため、仕組み化・構造化するしかありません。だからこそ海外企業は構造化がうまく、日本企業は今その転換期にあるのです。

背景にある心理|あなたの動機づけは「応援」か「呪い」か

自分の頑張れが応援として機能しているか、呪いになっているかを見極める4つの診断があります。1つでも当てはまると、部下のやる気を吸い取るバンパイアになっているかもしれません。

No. 診断項目 問題
1 武器を持たせずに気合いだけ求めていないか 解決の糸口を渡さず根性論に走る
2 部下の頑張りを自分の安心のために使っていないか 結果でなく時間の長さで安心する
3 報酬を提示せずに努力を強いていないか 頑張った先のゴールが見えない
4 失敗した時に真っ先に努力の量を責めていないか 戦略ミスを部下のせいにする

1つ目は、悩む部下に「気合いが足らん」と根性論で返し、フレームワークやツールなど解決の糸口を渡さないことです。2つ目は、夜遅くまで電気がついていると「頑張っているから大丈夫」と安心してしまうことで、海外では残業は仕事ができない印と見られます。3つ目は、頑張った先にどんなキャリアや成長があるかを示さず努力だけを求めることです。4つ目は、失敗の8割は戦略ミスや構造の欠陥なのに、努力不足のせいにすることです。当てはまりが0個なら優れたリーダー、1〜2個なら無自覚に呪いを渡している可能性、3〜4個なら根性論者と言えます。

「頑張れ」と言うほど部下のやる気が消える「動機づけの病」5選

頑張れと言うほど部下のやる気が消える動機づけの病を5つ挙げます。まず一覧を示し、そのあとでH3で1つずつ解説します。

No. 動機づけの病 部下に起きること
1 精神論が戦略の欠如を隠す どうしていいかわからず無力感に陥る
2 限界までやっている人への追い打ち 気力が切れ、心の病の寸前まで追い込まれる
3 会社のためという理不尽な押し付け 上司のためだと感じて頑張れなくなる
4 頑張りを評価対象とするプロセスの穴 頑張っている演出・残業アピールが始まる
5 孤独なランナーを放置する丸投げ 孤立感が湧き、静かな退職につながる

精神論が戦略の欠如を隠す

頑張れと言っているということは、戦略が練りきれていないケースが多いのです。具体的な勝ち筋が示され、こういうステップでやればいけると整理されていれば、「どこが抜けているか」を考え、「ここを頑張ろう」と具体に落とし込めます。

そうではなく、勝ち筋を整理せず継続的に頑張れとするだけでは、部下は「どうしていいかわからない」「これ以上どう頑張ればいいのか」と無力感に陥ります。頑張れと言う前に、部下が頑張らなくてもできる構造・戦略をどう練るかを考えることが大切です。

限界までやっている人への追い打ち

すでにキャパオーバーで必死にやっている人に「もっと頑張れ」と言うと、頑張りの糸が切れたり、「自分にはもう無理かもしれない」と気力が湧かなくなったりします。心の病になる寸前まで追い込んでしまうこともあります。

これは心理的安全性を破壊します。「もう無理です」と言えなくなるからです。部下の頑張りをちゃんと見ておらず、キャパを把握していないと、部下は心のシャッターを閉じてしまいます。限界までやっているか、まだ余裕があるかの見極めが非常に大切です。

会社のためという理不尽な押し付け

頑張れが「会社のため」というメッセージであることは多いものです。しかし社長が頑張れと言うと、「俺を楽にさせてくれ」「もっと儲けさせてくれ」という思惑が見え隠れすることがあります。すると「自分のためだよね」と感じて頑張れなくなります。

それよりも、何のためにやるのかという大義名分や北極星が大事です。そのうえで、単に会社のためではなく、一人ひとりにとってどんなメリットや未来があり、何につながるからやろう、というストーリーがないと、部下には刺さりません。

頑張りを評価対象とするプロセスの穴

頑張れと言い続けると、頑張っているふりをして「頑張っていると認められれば評価されるのかな」と誤解されます。本質は成果を上げることなのに、忙しそうにして頑張っている演出をすれば評価されるのでは、と考えてしまうのです。

「今日も忙しくて残業しています」「昨日も終電でした」という頑張りアピールが始まると危険です。そこは本質ではありません。本来は、ちゃんと成果に向かうことが大切です。

孤独なランナーを放置する丸投げ

頑張れと言ったことで満足してしまい、本来必要なサポートやリソースを提供しないことです。上司は頑張れという言葉で、いい仕事をした気になってしまいます。精神的な応援も大事ですが、仕事が進むためのサポートをするのは上司の義務です。

ノウハウを教える、権限を与える、予算をつける、フレームワークを渡す、一緒にやって背中で見せる。こうした支援がなく頑張れだけだと、部下は「上司は口だけ」「自分は応援されていない孤独なランナーだ」と孤立感を抱きます。すると心理的な距離が広がり、辞めるか、静かな退職(退職はしないが心ここにあらずでこなし仕事になる)につながります。

解決策・打ち手

頑張れに頼らず部下のやる気を引き出すための打ち手を、H3で1つずつ解説します。

気合いと一緒に「武器」を渡す

根性論そのものが悪いわけではありませんが、気合いと根性はセットで使える武器を渡すことが大切です。「こんなアプローチで考えたらいい」「このフレームワークに当てはめてみたら」と、解決の糸口を渡したうえで頑張ってねと伝えます。悩んでいる部下に根性論だけで返すと、「この上司は助けてくれない」となってしまいます。

頑張った先の報酬と未来を示す

頑張った先に何があるかを示します。報酬はお金だけではありません。成長という報酬、会社の中で認められる存在になる自信という報酬、やりたいことを自由にできる自由度という報酬があります。「これをやると実力がつき、こんなキャリアにつながる」と、個人のメリットやワクワクする未来を見せることが動機づけになります。

失敗は努力でなく戦略・構造を疑う

失敗の8割は戦略ミスや判断ミス、構造の欠陥です。部下の8割が成功し2割が失敗なら個人の問題かもしれませんが、半分以上が失敗しているなら戦略や構造の問題です。努力だけのせいにするのはリーダー失格で、リーダーの仕事は凡人がそれほど頑張らなくても成果を上げられる仕組みと戦略を作ることです。

「おひたし」ならぬ言葉の変換で応援する

頑張れという言葉を禁止にしてみるのも有効です。頑張れの代わりにどう言うかを考えるトレーニングになります。例えば「どんな武器やサポートがあれば突破できそう」という問いに変えるだけで、部下の反応は変わります。頑張れだけでは部下も相談しにくいため、具体的なサポートの意思を示す言葉に変換します。

明日から着手する順番

頑張れに頼らないマネジメントへ変える行動を、着手しやすい順に並べます。上から順に取り組んでみてください。

  1. 4つの診断(武器なしの気合い・自分の安心・報酬の不提示・努力を責める)に自分が当てはまらないか確認する。
  2. 頑張れという言葉を一旦禁止にし、代わりの言い方を考える習慣をつける。
  3. 悩む部下にはフレームワークやツールなど、解決の糸口となる武器を一緒に渡す。
  4. 頑張った先の成長・キャリア・自由度など、個人にとっての報酬と未来を示す。
  5. 半数以上が失敗しているときは、努力ではなく戦略・構造を疑って見直す。
  6. 頑張れだけで終えず、ノウハウ・権限・予算などの具体的なサポートを提供する。

よくある質問

なぜ「頑張れ」と言うと逆効果なのですか?

精神論が戦略の欠如を隠すからです。勝ち筋が整理されていないまま頑張れと言われても、部下はどうしていいかわからず無力感に陥ります。

昔は「頑張れ」が機能したのですか?

機能しました。社員が辞めず、我慢すれば将来のリターンが得られた時代は頑張れが有効でしたが、今は逆効果の方が大きくなっています。

動機づけの病はいくつありますか?

5つあります。精神論が戦略を隠す、限界者への追い打ち、会社のための押し付け、頑張りの評価、孤独なランナーの放置の5つです。

自分が該当するか診断する方法はありますか?

4つの質問で診断できます。1つでも当てはまると部下のやる気を吸い取るバンパイアになっている可能性があります。

診断で何個当てはまると危険ですか?

3〜4個で根性論者です。0個なら優れたリーダー、1〜2個で無自覚に呪いを渡している可能性があります。

気合いや根性を求めてはいけないのですか?

気合いと武器をセットにすべきです。根性論だけでなく、フレームワークやツールなど解決の糸口を渡すことが大切です。

部下の残業で安心してはいけないのですか?

いけません。大事なのは結果で、時間の長さで安心するのは危険です。海外では残業は仕事ができない印と見られます。

限界の人に「もっと頑張れ」と言うとどうなりますか?

気力が切れます。心の病の寸前まで追い込むことがあり、心理的安全性を破壊してしまいます。

「会社のため」はなぜ響かないのですか?

上司のためだと感じるからです。社長の思惑が見え隠れすると、自分のためだよねと受け取られ頑張れなくなります。

報酬とはお金のことですか?

お金だけではありません。成長、認められる自信、やりたいことができる自由度など、広い意味での報酬が動機づけになります。

頑張りを評価すると何が起きますか?

演出が始まります。忙しそうにして頑張っているふりや終電アピールが起き、本質である成果から外れてしまいます。

孤独なランナーの放置とは何ですか?

頑張れだけで満足し支援しないことです。上司が口だけと見られ、孤立感から静かな退職につながります。

静かな退職とは何ですか?

退職はしないが心ここにあらずの状態です。とりあえずこなし仕事になり、頑張れが逆効果になった結果起こります。

失敗は誰の責任ですか?

多くは構造の責任です。失敗の8割は戦略ミスや構造の欠陥で、半数以上が失敗するなら個人でなく戦略の問題です。

リーダーの本当の仕事は何ですか?

仕組みを作ることです。凡人がそれほど頑張らなくても成果を上げられる仕組みと戦略を練ることがリーダーの仕事です。

なぜ海外では「頑張れ」がワークしないのですか?

人がすぐ辞めるからです。頑張れと言っても頑張らないため、仕組み化・構造化するしかなく、海外企業は構造化がうまいのです。

「頑張れ」の代わりに何と言えばよいですか?

具体的な問いに変えます。「どんな武器やサポートがあれば突破できそう」と聞くだけで、部下の反応が変わります。

頑張れを禁止にする意味は何ですか?

言い換えの訓練になるからです。代わりにどう言うかを考えることで、具体的なサポートの言葉に変換できます。

日本企業が構造化を苦手とするのはなぜですか?

頑張りで乗り切れたからです。個人の努力で成果を出してきた成功体験があり、構造を作ってこなかった会社が多いのです。

構造づくりに何が役立ちますか?

AIとの壁打ちです。AIと相談すれば仕組みや構造づくりがやりやすくなり、時間とお金の投資として取り組めます。

まとめ

  • 「頑張れ」と言うほど部下のやる気は消え、原因は精神論に頼り戦略・構造から目をそらしていることにあります。
  • 応援か呪いかを見分ける4つの診断があり、1つでも当てはまると部下のやる気を奪っている可能性があります。
  • 動機づけの病は、戦略の欠如を隠す・限界者への追い打ち・会社のための押し付け・頑張りの評価・丸投げの5つです。
  • 失敗の8割は戦略や構造の問題で、努力だけを責めるのはリーダー失格です。
  • 気合いと武器をセットで渡し、報酬と未来を示し、頑張れを具体的な問いに変換することが解決策です。

まずは「頑張れ」という言葉を一旦禁止にし、次の声かけで「どんなサポートがあれば突破できそう」と問い直すことから始めてみてください。

動画特典

「頑張れ」と言いそうになった時に、代わりにどう言えばよいかを整理した「頑張れ禁止・言葉変換チートシート」をプレゼントしています。例えば「どんな武器やサポートがあれば突破できそう」といった問いに変えるだけで、部下の反応が変わります。手元に置いて使えるフレーズ集です。

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この記事の内容は、YouTubeで実際の事例を交えて解説しています。

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